服部雅章は 木に対して負けず嫌いです

製材風景

最大のライバルは木自身

服部雅章という人間のライバルは父親でした。父親も息子がライバルという思いが多少あったと思います。
現在自分の手本とするライバル材木屋もありますが、最大のライバルは木自身です。木材資源は仕入状況が悪化することはあっても、絶対に好転することの無い天然資源です。つまり木は変化しないのです。こちらが変化しなければ必ずマーケットから見放されるのが木材資源なのです。

扱い品目の変更、製材方法の変更、仕入先の変更等々は当たり前のことです。しかし全ての樹種のバックに人間模様があるのです。
昭和3年祖父が独立した時、扱い品目はホオ材でした。そして原木を販売する原木屋に変化し、そこで大きな貸し倒れに合い、家具屋の材料を扱う業者に変化しました。また、碁盤・将棋盤に出会いカツラの服部と言われました。急速にカツラ原木の資源の枯渇に直面し、扱い品目を広葉樹木材全般に変更しました。

小生は亡き父と一緒に北海道に出掛けていましたので、広葉樹全体の森のことは、服部商店に入社した、今から30年以上前から変化は感じてはいましたが、上記のようにこの間劇的な変化がありました。これから10年後どのような形での対応で生き残れるのでしょう。そこを考えると心配になりますが、それを考えるより木を買いにくくなる現象は材木屋に対して全く平等ですし、共通しているので、逆にこちらの対応一つで如何様にでも良い形に変化できると思っています。

服部雅章は木に対して負けず嫌いです。
服部商店は今、更なる新しい可能性に向かっています。

服部商店に伝わるノウハウと姿勢の一部

ここに書くことは小生の会社の知的財産にも繋がりますが、この記事を読んでいただいて、材木に興味がある方が一人でも多く業界に飛び込んで来ていただけるなら、それが日頃お世話になっている木に対しての感謝に繋がると思い、書きます。

ワレより本土重視

この言葉は主に広樹原木を製材するとき使う言葉です。一般に広葉樹原木を製材する場合ワレを重要視しますが、服部商店は木の曲り(本・ほんき)を重要視します。

天の木を買え

原木が100本あるとします。100本の中で一番良い木を天木(てんき)と言います。一番良い木は高いのですが、高いということは中身が良いということです。
価格の高い天の木を買い、代々伝わる技術で製材することが、結果ユーザー様の利益につながると考えています。

姿勢の良い木よりも中身の良い木を探せ

中身が良い外観の悪い木は、昔よくありました。しかし最近はめっきり減りました。具体的に言えば、外観の美しい二番木より、姿勢の悪い元木を買えということです。

製材方法は安全策を取れ

製材することはその原木の持っている長所を引き出すことですが、欠点を小さい範囲に収めることも仕事です。その時に絶対守らなければいけないことがあります。それが安全策を取ることなのです。安全策を取らない木取りは、正確に言いますと木取りとは言いません。ただ単に鋸を通して製材しているだけなのです。

古い木は買ってはならぬ

良い木とか悪い木とか言いますが、それは大前提が一つあります。木が新しいのか古いのかです。伐採から時間が経過し過ぎている原木は駄目です。古い原木は品傷みしています。

芯目の粗い木は駄目

芯目の細かい木は木取りの時予期しない欠点が生じても色々な策が取れます。その理由は芯目の細かい木は総じて欠点が狭い範囲に集まっています。集まっているということは、その木の欠点をうまく外せばその木の最大限の長所を引き出せることに繋がるのです。

木は産地が一番

北海道産広葉樹のカツラ材を例にします。
同樹種は日高山脈の西側と東側に優良材があります。
一番良い産地は西側の新冠〜浦河地区です。二番目が東側の広尾地区です。この二地区の木は見た目以上に中身が良いことを小生は経験しています。
見た目は良いのですが、品質的に落ちる産地があります。それが北見地区のカツラです。特に足寄〜陸別地区は日高の木より見た目は凄く良いのですが、案外中身が良くないのです。節も予測より多く出るし、色は乾燥しても全く良くなりません。
産地というキーワードは大切です。

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